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「続きを読む」で大石の話です。
登場人物は大石・越前・菊丸で、ちょっと大石×菊丸な感じです。
自分的には書けたことに満足しています。
メールのお返事ありがとうございました!
とても嬉しいです!
またご連絡させて頂きます!!
ある日の昼下がり、これから誰もが昼食を取ろうというところ。
偶然青春学園のテニス部副部長と、生意気なルーキーが同じベンチで顔を合わせた。
「お疲れっす」
「ああ」
「…あの大石先輩」
越前が話しかけてくるなんて珍しい、と大石は思った。
「何だ?越前」
素知らぬ顔で大石は答える。
「『さんぱくがん』って何すか?」
アメリカ帰りの後輩の発言に、大石は少し虚をつかれた。
しかし後輩の年下らしい一面を見せられ、微笑む。
「『三白眼』っていうのはな…」
そんな他愛のない会話をしている光景は、部活中では考えられない。
落ち着いていて明るい、まるで陽だまりがそこにあるようだ。
しかし、そんな時間は長く続かなかった。
大石が一通り『三白眼』の説明をし終えた瞬間に、越前の背後に黒い影が…
殺気を感じ取り、越前は素早く振り返ろうとしたが、遅かった。
黒い影こと菊丸英二が、否応無しに後輩の背中にタックルを決める。
彼は受け身も取れず、べしゃと音を立てながら地面に倒れこんだ。
大石は突然の出来事に目を見張る。
「何すかっ!」
そんなことをされて黙っているほど、この後輩は可愛い性格をしていない。
しかしその言葉を菊丸は無視し、そっぽを向いてしまう。
大石は現状を理解し、すぐさま菊丸を注意する。
「何やってるんだ英二!」
そして大石は倒れている越前に手を差し伸べた。
「大丈夫か?」
「ういっす」
片手で大石の手を取り、もう一方の手でユニフォームについた砂をはらいながら越前は立ち上がる。
「英二!何でこんなことをするんだ!」
大石が尋ねても一向に菊丸は答えようとせず、そっぽを向きながら頭の後ろで手を組んでいる。
「もういいです、大石先輩」
「越前、すまんな」
越前が不思議そうな顔をする。
「何で大石先輩が謝るんすか?」
「えっ…いや何となく」
「まっいいや。じゃあ俺行くんで」
「本当にすまんな」
「別に」
そう言いながら越前も菊丸を無視して、早々に退場した。
その後、大石は菊丸をベンチに座らせ、長々とお説教を始める。
その間は菊丸の機嫌がよかった。
ただ同じベンチに座っているだけでも、人により見方は様々である。
ある人から見ると微笑ましい光景でも、違う人が見ると違和感を覚えたり、あるいは実際の関係以上に深い仲に見えたり。
今回の一件で越前は学んだ。
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