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26時間TV、思いっきり見てました。
しかし深夜の面白いところを、見逃してしまい…地味にショックです。
26時間起きてるって、相当辛いですよね~
最後は何やら変なテンションで終わっていきました。

26時間TVのテーマ(?)が「今日は泣いてもいいですか」的なことだったので、
それにちなんだ駄文書きます。
何でかというと私がTVを見てたから。
ただそれだけです。

登場人物はがっくんと日吉で。
「続きを読む」にて書いていきたいと思います。

全国大会が終わった。
三年生は引退するかと思ったら、何やらU-17選抜候補の合宿とかに呼ばれるようで
部活に毎日参加している。
まだ跡部部長に勝ち、下剋上を果たしていないから好都合だ。
それにもう一つ、俺には心残りがある。

「お疲れ様です」

練習が終わり部室に入ると、向日さんが着替えていた。

「お疲れ~」

こちらを見ずに、ユニフォームを脱ぎながら向日さんは言った。
いつもならこのまま無言で、俺も着替え始める。
そして忍足さんを待つ向日さんをおいて先に部室を出る、これがいつもの行動だった。
しかし今日こそは、果たさなければならないことがある。

「向日さん」

部室のドアにユニフォーム姿で立ったまま、俺は声をかけた。

「何だよ?そんなとこで突っ立って」

すぐに着替えない俺を不思議に思ったのか、今度はこっちを向いた。

「今日、一緒に帰りませんか?」

自分でも「一緒に帰ろう」なんて、不自然だと思う。
いつもなら絶対に言わない。

「いいぜ」

そんな不自然な俺の申し出に、嫌な顔一つしなかった。
それどころか笑顔で答える。

「じゃあサッサと着換えろよな」

その言葉に俺は素直に従った。



「お前が誘ってくるなんて珍しいな」

頭の後ろで両手を組みながら、少し先を歩く向日さんが言った。

「そうですね」

珍しいというか、初めてだ。
もしかしたら、誰かを自分から誘ったのも初めてかもしれない。

「忍足さんを待たなくてもよかったんですか?」

本題を先送りにして、別の話をしてしまう。
こんな自分を、今まで知らなかった。

「別にいいよ。連絡はしといたし」

「それに」と向日さんは振り向き、歩くのをやめた。

「俺にだけ用があったんだろ?」

そう言われ、俺も動けなくなった。
数十センチの距離を、縮めることができない。

「…はい」

距離を縮められないのは、負い目があるからだ。

「何だよ?」

全国大会が終わってから、ずっと感じていた。

「向日さん」

その言葉を、全国大会後からずっと、言いたかった。
言いかかったけれど、言えなかった。

「すみませんでした」

口に出してしまったら、現実味を帯びてしまう。

「先輩方の夏を終わらせてしまって」

もう夏が終わっているのは事実なのに、それを受け入れられずにいた。
その原因は分かっている。

「向日さんの最後の試合を、あんな結果にしてしまって」

向日さんと俺の最後の試合。
今でも試合後の苦い記憶が、蘇る。
隣にいる向日さんの悔しそうな顔も。
俺の脳裏に焼き付いている。

受け入れられない、受け入れたくない。

しかし負い目を感じ続け、事実はなかったことにはできないことに、ようやく気がついた。
だからせめて謝りたくなった。
俺が謝ったところで、その事実は何も変わりはしないけど、謝りたかった。
自己満足だと言われても、仕方がない。

「お前…」

数歩の距離を簡単に向日さんは縮めた。

「そんなこと気にしてたのかよ」

目の前に立ち、乱暴に俺の頭を撫で始める。

「お前だけのせいじゃねえだろ」

「だから泣くな」と、そう言われて初めて自分が泣いていることに、ようやく気がついた。
しかし泣くなと言われても、止められるものではない。
困ったように笑いながら、向日さんは小さくため息をついた。

「でもまぁ今日だけは許してやるか。思いっきり泣いとけ」

そう言って俺よりも小さい先輩は、俺の背中に手を回す。

「お前のことだから、ずっとため込んでたんだろ」

後ろに回した手で、背中を軽く叩く。
自然と俺は頭を、向日さんの肩に置いていた。

「…来年は頑張れよ」

それ以上向日さんは何も言わず、ただ俺が動き出すのを待ってくれた。
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